知恵袋を眺めていると、
隣の家のWi-Fiの電波をセキュリティを破って使えるようにするにはどうすればいいのか
こんな感じの質問がありました。
なかなか興味深かったので、これについて考えてみようかな。
他人の電波を使うのは「窃盗罪」な気もするが…
まず頭に浮かんでくるのは窃盗罪だと思います。聞いたことありますよね。
刑法第二百三十五条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
上に条文を引用しましたが、実はこれ、電波には適用されないんです。
「他人の財物」と書いてありますが、一体「財物」って何を指すのか…
これは説が分かれるところではあるんですが、今のところ、有体物を指すと考えていいみたいです。
つまり、お金とか、携帯電話とか、実体のあるものを「財物」という。
まあひとつ例外があって、電気は無体物だけど窃盗罪が成立する。
刑法第二百四十五条で、電気は「財物」とみなす、って書いてあります。
それ以外の無体物は「財物」とは言わない。
つまり、自分のではない電波を勝手に使っても、それ自体は法には触れないのだ!
お、じゃあお隣さんのWi-Fi使い放題じゃね?www
ちょっと待った!不正アクセスは禁止!
そんなウマい話があるわけねーじゃんよ。
電波については、窃盗罪の壁はクリアした。
でもそれだけじゃないんだなーこれが。
こちらも名前ぐらいは聞いたことがあるでしょうが、不正アクセス禁止法っていう法律があるんですよ。
これについては条文をまたぐので簡単にまとめると、
セキュリティのかかっているルータに対して、そのセキュリティを突破して本人の許可なくアクセスすることは犯罪ですよ
こういうことになります。
今はだいたいのルータにセキュリティがかかっています。
こんな画面見たことありませんか?
このセキュリティを突破して勝手に使うと、不正アクセス禁止法違反ですよ。
ちなみに、罰則は3年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。
まとめ
要するに結論は、
- 他人の家の電波を勝手に使うこと自体は規制なし
- だが、セキュリティのかかっているものにアクセスするのは違法
ということです。
だからもしセキュリティのかかっていない電波を見つけて拾ったら、それは法的にはセーフ、ということになります。
法の規制はないものの、勝手に使われた身になってみると…ね?
法律には穴があるもの。あとはモラルの問題ですよ。